ダイソーのニッケル水素充電器をトリクル充電に改造1

    電子工作
    03 /27 2016
    ダイソーのNi-MH(ニッケル水素)専用充電器、価格100円(税別)をトリクル充電にする改造です。 充電に時間は掛りますが時間を見計らって電池を抜く必要はありません。
     AC電源に挿しっぱなしにして充電しても電池のダメージが最小で充電にできるようにする記事です。 ただ、あくまで常識の範囲内であり何十年も経った電池を使ってもOKとかいう訳ではありません。

    但し電池に条件があります。
    ニッケル水素充電池は1~2ヵ月で容量が抜けるへたれなもので容量1300mAh以上のものです。 具体的にはダイソーのRevolts 単三 を想定しています。
    なお、(ご存知のように)セリアのVOLCANOとその充電器も同じ物です。

    トリクル充電し続けるのがNGな例
    ・Revoltsでも単四は750mAhなのでダメです。
    充電電流が多くトリクル充電に相当しないため。
    どうしてもというなら1Vまで放電した電池で33時間位で電池を抜くなら充電は可能です。 ご注意下さい。
    ・1年経っても容量があまり減らないエネループのような電池は過充電になっていかれると思われるのでダメです。 (電解液が蒸発する?ドライアップになる?)
     そもそも容量があまり減らないのでトリクル充電し続ける意味が無い。
    これらの電池は充電自体はできるのですが終わったら抜く必要があり充電し続けることは出来ません。 充電に時間が掛かるので抜き忘れする可能性が高いのでNGとします。

    改造といっても抵抗2本交換するだけです。 が、その前にチョット確認事項があります。(後述)

    目的はダイソーの充電器が遊んでいるので何かに使えないかということ。
    ・ニッケル水素充電池をトリクル充電しておけば停電したら点灯するような回路の自作の布石。
    ・容量が抜け易いニッケル水素電池をいつでも満充電の状態で使える。
    電池を2セット用意し交互に、1セット使っている間に次のセットを充電するというようにすれば初めのセットの充電時間を我慢すればそれ以後の充電時間は問題にならない。
    ・電池が不活性化するのも防ぐ?
    不活性化は大雑把な話、電池を放置すると中に入っている粉状の物質の表面に電気を通しにくい膜(層)の様なものができることだが、充放電するとこの膜が破れる(活性化する)。
    ただ、不活性化した電池を使った経験から電流が少ないと膜を破る効果(数)が少ない感じがするし時間が掛る。一気に全ての膜が破れるのではなく破れにくいのものがある感じ。
     しかし、電流を流し続けることによってそもそも膜ができないならば効果があるはず。
    と理由は色々あるのですが半分は遊びです。

    まずはダイソーの充電器の外観。 (今更要らない気もするが一応)
    Trickle_04.jpg Trickle_05.jpg

    分解
    Trickle_06.jpg

    回路図
    Trickle_01.png  Trickle_02.png
    半波整流で充電している。(右図)
    LEDは充電電流量が分からなくなるので外すことにする。
    そうすれば抵抗で電流が決まるのでこれを変えるだけである。

    半波整流なので基本半波なのだが 整流用ダイドーのVf+電池電圧 を超えた電圧でしか電流は流れないのでパルス状になるはず。
    図の太線です。手抜きで三角波になっていますが正弦波の半波だと思って下さい。

    このパルス電流をキチンと測れるかが確認事項です。
    回路に電流計を入れるとその抵抗分で充電電流が減るのRの電圧を測る。
    従ってデジタルテスターのDCVレンジが平均電圧を示すかを確認する。(後述)

    更にその前にトリクル充電について。
    パナソニックのデータシートから連続充電の特徴を抜粋。
    Trickle_08.png
    トリクル充電は微小な電流で充電し続ける方法で普通は直流で行う。
    間欠・パルス充電は電池にやさしいく長寿命が期待できる。

    これらは充電中というより主に満充電になった後が理由のようです。
    満充電になった後、充電し続けると水素ガスが発生して内圧が上昇するが、これを許容範囲に治めるのがトリクル充電、ガスの発生自体を少なくするのが間欠・パルス充電のようです。
    今回のはトリクル・間欠・パルス充電の中間的な感じで直流のトリクル充電よりは良さそうです。
     なお、パナの説明では定格容量値がltですが以下では今のところ一般的なCを使います。

    上図にもあるがトリクル電流は一般的に1/20~1/30Cだが1/40C以下が安全らしい。 1/20~1/30Cは再充電に掛る時間が1日程度で済むように考慮したものと思われる。
    参考:Application Note 946 High-Efficiency 3A Battery Chargers Use LM2576 Regulators TI社 3ページのトリクル充電

    因みに最小値は例えば1ヵ月で容量が抜けてしまうとしまうとするとこれを補うのは
     1/24/30=1/720C の電流
    充電効率を1.5倍とすると1/480Cとなる。

    ただ、これでは容量は減らないが充電は出来ないので約10倍の1/50位が限界かな。
     その後調べた結果1/50までOKなのを確認しました。
    →今回のトリクル電流量は中間の1/30弱を目指す。
    再充電を急ぐならば1/20、非常用かつ電池の長寿命を目指すならば1/40~1/50近くにすのがよさそう。

    追記1
    トリクル充電で充電電流を減らすと充電効率が悪くなる。
    2000mAh分の電流で充電しても実際は1000mAh分しか充電されないみたいなこと。 直流での充電電流の話である。
    一方今回の充電電流は平均値である。 半波なので大雑把な話約2倍の電流で充電している。
    つまり平均1/50の電流といっても充電効率的には1/25の直流と同じになる。
    正確には電圧が低く充電電流が少ない期間が短時間あるのでそこまでは行かない。
    このように半波での充電はメリットが多い。
    追記1終わり

    さて、デジタルテスターのDCVレンジの確認です。
    99%やらなくてもいいと思っているのですが、何せ充電なので万が一のことがあると危険なので確認です。 確認は原理的に平均値となるアナログテスターとデジタルテスターで読み値がほぼ同じなのを確認します。
    Trickle_07.jpg
    比較テスターは左からゴムカバー無しのMAS-838(MASTECH)、M-6000M(METEX)、105FET(HIOKI)。

    105FETは学生時代に買った年代物(本人が年代物なので)で左の2台を合わせたより高い定価一万円だった。 高価なのはFETバッファ内蔵でDCVレンジの入力抵抗は10MΩか20MΩ(2倍レンジ)一定、 ACVは1MΩ一定のP-P整流で5Vレンジは20~5MHzだから。

    測定回路  Rの両端の電圧を線をで引き出して同時に測る。
    Trickle_03.png
    結果はデジタルテスター2台が0.308V、アナログが0.309Vだった。
    やはりデジタルテスターは平均値を表示している。

    この時のR両端の電圧波形
    Trickle_09.jpg
    ピークが1.2Vで、やはり0Vの期間が長い。
    おもちゃ?のオシロでも持っていると有用な例ですね。


    デジタルテスターで測れることが分かったので改造。
    Trickle_12.png
    抵抗は実験の結果1300mAhでは22Ωがよいと判断した。
    回路図中の値はまともな充電器で充電した電池を使い、さらに本器で4時間以上充電した後の物。 興味深いのは始めは1.470Vav、1.442Vavと少しばらついていたのがほぼ揃ったこと。
      **Vav、**Aavは平均電圧と平均電流。
     -ΔVでの充電終了の判断は完璧ではなく100%充電されないことがあるということかも?
    満充電後のトリクル電流は37mAav位で1/34.2Cとなる。

    充電電圧の様子
    Trickle_10.jpg Trickle_11.jpg
    パルスの瞬間60mV程(右図)電圧が上がっている。

    充電時間は1300/37=35.1h 1.5倍して52.7h 2.2日
     電池の電圧が低いときは電流が多く流れもっと短くなりそうだが電源トランスがへたれ(フェールセーフ?)なので電圧が落ちて電流はそんなに増えないはずなので実質2日位か。

    電池の発熱は60mW位。 電池を触ってもほんの少し暖かい感じ。(透明カバーは外した状態)それより電源トランスの方が暖かい。

    本当は最低一週間とか充電してからの報告が良いのだろうがとりあえず試した結果。
    電池2個を述べ24時間充電したが問題ない。
     述べなのはまだ信頼を勝ち得ていないので寝ている間は止めているため。
    すこし怪しい電池2個でも述べ24時間充電したが問題ない。
     まともな充電器で妙に早く充電が終わるものと、いつまで経っても充電が終わない-ΔVがハッキリせずタイマーで切れた思われもの。
    追記5
     その後、寝ている間は抜くようにして使っているが1ヶ月しても問題はない。
     色々なRevoltsでこれを数回(=数か月)やったが問題ない。
    追記5終わり

    なお、長時間充電しても充電電圧は1.5Vを超えることはなかったので最低限安全だと思います。
     何V以下なら安全なのかハッキリしないしないが大体こんなものだと思う。
     空からの充電だと満充電時にはもっと高くなり、その後下がるはず。
     
    追記4
     次回の記事のLEDを付ければ最高充電電圧がわずかに下がるのでより安全だと思います。
    追記4終わり

    引き続き空からの充電等も行い不具合があれば報告します。
    それにしても抵抗2本交換するのに大そうな記事に成りました。

    追記2
    少し怪しい2個の電池を完全に放電器で放電させてから充電しても微かに暖まる程度で、満充電後のトリクル充電中と差が分からなかった。 問題無く充電できた。 充電は1.24V前後から始まった。
    実際使ってみると(充電電流1/50でも)一週間位放置しておけばよく、忘れたころに取り出せばよいので気分的に凄く楽です。
    追記2終わり

    追記3
    その後、起きている間AC電源に繋ぐということをやっているが数か月挿しっぱなしでも問題ない。
    追記3終わり

    メモ
    ・電源トランスのレギュレーションが悪いので抵抗値で計算した通りの電流にならない。
    充電電流を減らすと出力電圧が無視できないほど上がる。

    ・15Ωだと50mA位とやや多かった。
    電源電圧が上がっても1/25C以下と思われ一応安全圏内だが目標より多かった。

    ・当然だがAC電源電圧は常に変動しているので割りと測りにくい。

    ・ACの消費電流はオリジナルの状態で3.5VAで3W位かな。
    これで1ヶ月の電気代を1kWh 28円で計算すると
     3*24*30/1000*28=60.48円
    22Ωへの改造で1/3位なので20円位。 仕事させる為の費用なので問題ないだろう。

    ・単四(750mAh)を使いたい場合は33Ωではきつそうなので47Ωがよさそう、39Ωなら単三/単四兼用にできそうだがいずれも未確認。

    ・最大容量は?
    理論限界は 37mA*480倍=17760mAh
    少し余裕をみてこの半分の半分とすると4440mAh(1/120C)
    50倍まではまず安全 37mA*50倍=1850mAh
    100倍も一応大丈夫らしいので 37mA*10倍=3700mAh
     2700mAhのバッテリーは質が悪くなければ73倍と中間なので一応大丈夫そうである。 2500mAhならば63倍なので少し安全。

    ・最小容量は?
    1300mAh以上が安全だがどうしてもという場合です。
    倍率を25に下げて、電源110Vとすると 37*25*1.1=1028mAh
    少し余裕を見て1100mAh以上。

    →22Ωでの最大最小は1100~2700mAh。
    ただ、22Ωは1300mAh前後に優しい最適値なので、2000mAh以上にはやや不向き。
    2000mAh以上向きなら15Ω、万能なら18Ωがよいだろう。
    15Ωは1300mAh以上、18Ωは1100mAh以上が安全と思われる。
    切り替えられるように製作できれば良いのだがSWを付けるスペースがない。

    つ づ く
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    マネさせていただきます。

    いつもながら興味深い記事をありがとうございます。

    この充電器を以前二個購入し、一個は改造してあと一個残っているのでFriendship 7さんのやり方をマネさせていただきます。

    というのは、大昔に秋葉原で10本も購入した「HITACHI CellAce NH-11AA」(オレンジ色帯のもの)が手元にあり、性能劣化しているものの放電電流300mA以下の用途ならまだまだ使えます。
    参考:(h)ttp://miharin.wktk.so/recharge/3/kobe.htm

    このNiMHは愛用している充電器(Soshine H2-V2)では「不良電池」扱いで充電してくれないので、電池判定が甘いThruNite MCC-4で充電して使っていますが、発熱が大きくて電池寿命を更に短くするのではないかと心配しながら充電しています。

    この記事を目にして「この方法はイケル!」と思いました。単四NiMHも古いものが有るので「単三・単四切替式」にしようと思います。
    手持ちの抵抗の関係で、単四では51Ω、単三ではスライドスイッチで75Ωを並列に入れて合成抵抗30Ω位で作ってみようと思います。

    又、電源表示が無いと不安なので、トランスの二次巻き線から数kΩの抵抗経由で赤色LEDを微弱点灯させようと考えています。

    RE:マネさせていただきます。

    インテリジェントの急速充電器は劣化していない電池は正しく充電できるのでしょうが、これから少しでも外れたへたれ気味な電池は弾かれるのが難点ですね。
    今回の半波での充電はへたったニッケル水素充電池でも比較的安全に充電できると思います。
    コメントの抵抗値で問題ないような感じがしますが、それでもダメなら本当にダメなので諦めた方が良い感じがします。

    確かに通電を示すLEDは私もあった方がよいなと実感しています。
    取り急ぎトリクル充電の実験結果を優先したので未実装となっています。

    Friendship 7

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